こんにちは、やさりぃです。
今回は現役薬学生の私が、Dr.STORNに登場するサルファ剤の作り方について解説していきます。
中学生でもわかるように、できるだけ簡単な言葉で書いていきます。
下記に当てはまる方は、ぜひ最後までご覧ください。
- 薬の作り方に興味がある中学生以上の方
- 有機化学が好きな高校生・大学生
この記事を読むと、サルファ剤のざっくりとした作り方がわかります。
結論は以下の3点です。
- 5つの材料を順番通りに加工するとサルファ剤ができる!
- 薬を作るときは副生成物ができてしまう
- サルファ剤合成の反応機構が知れる
それでは先に進みましょう!
サルファ剤の作り方~材料と手順~
早速サルファ剤の作り方を解説します。
材料と作り方はこちらです。(参考:週刊少年ジャンプ2017年34号、https://rikei-talk.com/drstone-sulfa/)
<材料>
- クロロ硫酸
- 尿(アンモニア)
- アニリン
- 重曹
- 無水酢酸
<作り方>※未経験者が実際に作るのを防ぐため、詳しくは書いていません
- アニリンと無水酢酸を反応させる
- 1とクロロ硫酸を反応させる
- 2とアンモニアを反応させる
- 3を加水分解する

まずは材料と手順を見てみよう。

なんだか料理のレシピみたいだね!

そうだね、こうやって書くとレシピに似ているよね。でも薬を作るというのは、料理と全然違うんだよ。

何が違うの?

特殊な道具を使わないといけなかったり、素手で触れられなかったり、ほかにもたくさん違うところがあるんだ。特に大きく違うのは、できるものが料理は1つだけど、薬は一つとは限らないことかな。

どういうこと?

例えば親子丼のレシピを使って料理したら、できるのは親子丼一つだよね。薬の場合は、親子丼を作っている間に、オムライスやたまごチャーハンもできてしまう、というイメージだよ。薬の場合は、一つの手順に対して、いくつもの反応が進んでしまうんだ。

そっか、手順が一つでも、3つの反応ができてしまうんだね。料理とは全然違うや!
雑談~薬の作られ方~

一つの薬を作っている間に、ほかの物質もできるなんて、なんだかお得だね!

料理だったらお得に感じるかもしれないけど、残念ながら薬の場合はそうではないんだ。

どうして?

ほかの物質は、薬としての働きを持っていなかったり、身体に害を与えてしまったりする場合もあるんだ。このほかの物質のことを「副生成物」と言うよ。

「副生成物」かあ。副作用の「副」と同じ漢字だね。

そうだね。副生成物は、副作用を引き起こしうるからなるべく副生成物を生成しない工夫が必要なんだ。

薬の作り方、もっと知りたくなってきたよ!

嬉しいな。製薬企業のホームページとかを見るともっと詳しいことが知れると思うよ。
構造式を知れば薬がわかる

私たちがのむ薬って、みんな同じような色とか形をしているけど、何が違うんだろう?

確かに同じような見た目をしているよね。実は全然中身が違うんだよ。薬として効き目を示す物質のことを「有効成分」というんだけど、この有効成分が違うんだ。

有効成分だけ取り出して見ることってできるのかな?

実際の薬から有効成分だけ取り出すのは難しいけど、実は、どんな形をしているのかはわかるんだ。下の図を見てごらん。


なにこれ!?呪文みたい。有効成分ってこんな形をしているの?

これは、実は有効成分ができるまでの反応を書いているものなんだ。有効成分の形は、一番下の行の六角形の図なんだよ。

そういわれてもよくわからないな・・・だいたい、英語がいっぱいあってどういう意味なのかも分からないし

そうだよね。これを理解するには中学と高校の化学がわかったうえで大学の内容も学ばないといけないんだ。今後のブログで少しずつ学んでいこうね

すごく大変そうだけど・・・頑張りたい!さっきの図の意味が分かるようになりたい!
まとめ
というわけで、今回はサルファ剤のざっくりとした作り方と反応機構の紹介を行いました。
次回は反応機構が理解できるように、勉強の道筋と基礎的な部分を伝えたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
それではまた次回、お会いしましょう!
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